研究演習ゼミ

会社法ゼミ

石田 眞得先生

[会社法/金融商品取引法]

なぜ会社で不正が起こってしまう?会社法を通して企業の仕組みを知る。

会社が適正に運営されるためには、どのようなルールが適切でしょうか。厳しくすればよいというものではありません。過剰な規制は活動を制限したり萎縮させたりし、反対に規制が不足すると、不正行為を十分に抑制できないなどの問題が起こります。また、通信手段の発展など、社会とともに変化する企業や社会のニーズへの対応も必要です。このように会社や証券市場の学びを深めると、日々進展する企業社会の仕組みや動きがよく分かるようになります。私のゼミでは春学期に会社法をテーマに対戦形式でディベートを行い、秋学期は12月に3大学合同で行う討論会に向けた準備をします。ゼミでの学びを通じて専門知識はもちろん、思考の過程を自分の言葉で説明できるようになるなど、社会で役立つ力を身につけることができます。

学生インタビュー

大変だけどやりがいのある討論会が魅力です。

他大学と合同で行われる討論会があると知り、石田ゼミを選びました。この討論会は、約3カ月という限られた準備期間にチームで大量の判例や学説を集め、取捨選択しながら主張を固めていきます。とても大変ですが、準備の中で情報を読み解く力が身につき、またゼミ生同士の結束も強まりました。石田先生は学生一人ひとりを大切にしてくれ、どんな質問にも真摯に答えてくださります。就活時にいただいた励ましの手紙は私の宝物です。

山田 和泉さん

法律学科 4年

行政法ゼミ

野田 崇先生

[行政法/公私協働/公共福祉]

行政法を学ぶとは国家権力について学ぶこと。社会事象を公益の実現の観点から読み解く。

行政法とは行政に関連する法律の総称で、『行政法』という名称の法律は存在しません。民事法が対等な市民同士の関係を規律するものであるのに対して、行政法は基本的に「国家権力に関する法」です。公益を実現することが重要であり、そのため課税や営業許可など様々な局面で行政は市民に対して優位な立場にあります。行政法を学ぶことは国家権力を学ぶことであり、民事法とは全く異なる世界を見ることができます。ゼミでは行政法の基本知識を一通り身につけ、社会事象を行政法の観点から把握できるようになることを目標としています。行政法は公務員を目指すうえで必須の試験科目ですし、民間企業へ就職する場合でも、行政は企業活動を様々な形で規制しているので行政法的な思考を理解しておくことはきっと役立つはずです。

学生インタビュー

穏やかな雰囲気のゼミで、行政法を基礎からしっかり学べます。

高校時代から行政に興味があり、入学してから国や地方公共団体が抱える問題や行政の制度と仕組みなどについて学んできた中で、より専門的な法の観点から行政特有の問題に触れたいと思い、このゼミを志望しました。野田先生はとても優しく穏やかな方で、ゼミ生の素朴な疑問や行政とは異なる分野と絡んだ質問にも丁寧に答えてくださいます。また、時事ニュースを行政法の観点から解説してくださるので、日常の学びにも繋がっています。

辻中 真望さん

法律学科3年

刑法ゼミ

平山 幹子先生

[刑法解釈論(不作為犯、経済犯罪)]

全方位が満足できる正解はない領域で、多角的分析力を磨きます。

刑法は、人が社会で犯してしまう罪とそれに対する罰に関する法律です。刑法の解釈にあたっては、罪を犯した人や被害者、周囲の人生を左右する問題なども含み複雑ですが、個々人の感情的な判断を排除して、合理的な論理に基づく一般化可能な結論を導くことが求められます。関係者全員が満足できる正解は、法律学であり得ませんが、より良い解決策を目指して、多角的な視点から問題を検討するところに、刑法学の難しさと面白さがあります。ゼミでは、刑法の重要判例や事例について担当者が検討を加え、それをもとに全員で議論します。将来、様々な問題に遭遇した際、多角的な視点から解決策を思考できるとともに、立場の異なる相手、利害の一致しない相手についても考えられる人間味あふれる人材として活躍してほしいです。

学生インタビュー

先生との距離が近く、積極的に意見を述べられます。

元々、六法の中では最も刑法に興味があり、参加したゼミ説明会で先生の人柄に惹かれて、このゼミに決めました。法科大学院志望者も多く、早期卒業の学生がいる平山ゼミは少人数のため、先生と学生の距離がとても近く、発言がしやすい環境です。先生が学生一人ひとりに興味がある分野はないか聞いてくださり、それに合った判例や参考本を教えてくださるなど、本当に親身になって指導していただいています。

山下 萌さん

法律学科 4年

日本政治史ゼミ

高島 千代先生

[日本近代史(近代成立期の民衆運動)]

過去の日本について知ることは、現在の社会問題の理解につながる。

なぜ、日本では友人同士で政治の話をしないのか?政治に無関心であることが望まれる雰囲気があるのか?疑問に思ったことはありませんか。しかし、歴史をさかのぼれば、幕末・明治の日本は、若者たちが政治に物を申すようになり、一般庶民も含めて新しい政治・社会を作り出そうというエネルギーにあふれていました。私がこの時期の民衆運動に関心を持ったのは、その変遷を明らかにすることで、現代日本の政治文化や意識の理解につながると考えたからです。ゼミでは、「日本を知る」を共通テーマに、自ら関心のあるテーマを選び、2年間で論文を執筆します。政治史の学びは、社会ですぐに役立つわけではありませんが、さまざまな歴史的事実を自分の頭の中に置いておくことは、社会情勢を読み解き、決断をする上で必ず力となってくれるでしょう。

学生インタビュー

学びたいことがある人にとっては、主体的に取り組める最高の環境です。

高島ゼミの魅力は、自分の興味あるテーマをとことん追究することができ、それを先生が後押ししてくださるところです。私は沖縄県の「与那国島」をテーマに研究を進めているのですが、大学図書館には関連する資料がほとんどなく、立ち往生していた際に、先生が「現地に行ってみたら」とアドバイスしてくださいました。実際に1週間滞在する機会をいただき、結果、現地にしかない資料と町議会議員の方からの貴重な話を得ることができました。

永井 遼平さん

政治学科 4年

西洋政治史ゼミ

武藤 祥先生

[ヨーロッパ政治史/スペイン・ポルトガル政治史/権威主義体制]

世界の政治を知ることで、私たちは今、どのような時代に生きているかが見えてくる。

ヨーロッパの政治史は、政治学を学ぶ上で様々な知識の宝庫です。私はその中でも、20世紀のスペインの政治史を中心に研究しています。20世紀のスペインは、長く独裁政権下にあり、政治学・政治史研究の中ではマイナーな国として扱われてきましたが、調べれば調べるほど興味深い発見があります。ゼミでは、まずゼミ生の興味・関心に合わせてテーマを設定し、関連する文献を全員で講読。その後、自らの研究テーマを絞り込み、論文を執筆してもらいます。外国の、そして過去の政治を学ぶことは、一見「役に立たない」ように思えます。しかし、ある出来事がなぜ起こったかを洞察することで、物事の本質や因果関係を探る視点が得られます。皆さんには現代の政治の動向を、歴史的な文脈の中で考えられるようになってほしいと思います。

学生インタビュー

考えや疑問を自由に言い合える、知的好奇心を満たせる場所です。

元々世界史が好きで、過去の歴史や政治を学ぶことで今の国際社会や現代の政治についての理解を深めたいと考え、西洋政治史を扱う武藤先生のゼミを選びました。ゼミのおすすめのポイントは、自分の関心に合わせて知識を深めることができるところ。政治体制に関心があるのか、それとも人々に着目したいのか、自分の興味を持つテーマの文献を用いて学ぶことができます。また、少人数のため先生との距離が近く、積極的に意見を交わせるところも魅力です。

安陪 瑠衣さん

政治学科 3年

メディア政治学ゼミ

塚田 幸光先生

[映画学/表象文化論/アメリカ研究/クロスメディア研究]

メディアの向こう側には何がある?文化と政治の関係を紐解いていく。

映画や文学、漫画などのメディアを通して、文化がいかに生成されどんな意味が潜むのかを研究しています。例えばファンタオレンジ。メディアが伝えるイメージは明るく爽やかですが、実はコカ・コーラ社がヒトラーを讃えて生み出した商品だと知っていましたか?普段何気なく見ているスクリーンの向こう側には何があるのか。多角的に考えることで見える景色が変わるはずです。私のゼミでは、毎週異なるテーマに関してプレゼンテーションやディベートを行っています。ディベートでは「TVは必要なメディアか?」や「残業は必要悪か?」などのテーマについて、肯定・否定に分かれて議論してもらいます。大切なのは、学生が主体となり自分の考えを述べること。多角的な視点を身につけ、主体的に行動できるようになることを目指します。

学生インタビュー

全力で取り組むディベートを通じて、論理的に話す力が身につきました。

人前で意見を話すのが苦手という弱みを克服するため、毎週のプレゼンやディベートがある塚田ゼミに入りました。議論するテーマは社会問題など幅広く、法律だけではない幅広い知識や視点が習得できます。また、相手を説得するための論理的思考力やアドリブ力も磨くことができます。先生やゼミ生同士の距離が近い和気あいあいとしたゼミで、季節ごとのイベントも行っています。オンもオフも全力で取り組みたい人には最高の環境だと思います!

向井 直子さん

法律学科4年